丹波たべられる森農園 工藤尋さん

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木の板の上に並べられた石鹸たちを見て、まず思ったことは「美味しそう」でした。

パウンドケーキか、ういろう、チーズのようにも見える、薬草の入った手作り石鹸たち。
それは丹波市春日町にお住まいの工藤尋さんの手によって生み出されたものです。

実に15~16種類あるというオイルからブレンド配合されたものをベースに、野草、エッセンシャルオイル、さらに使い心地を決めるクレイやシアバターやはちみつなどを配合され、その組み合わせに応じて種類の豊富な石鹸が作られています。

夏はさっぱりとしたもの、冬はしっとりとしたものと季節に応じて取り扱われる石鹸の種類はがらりと変わり、また出会えた野草や工藤さんのインスピレーションに応じても変化し続けています。

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特に人気の高いものは、春日町のお茶屋さん「徳寿園」の在来種のお茶で作られた石鹸。

こちらは頭髪に良いものをという想いで作られました。

ツバキオイルをたっぷり含み、ミントのエッセンシャルオイルを配合しているので使い心地にすっきり感があり、
男性へのプレゼントにもおすすめです。

またノイバラを使用した石鹸も女性に人気のある逸品です。

ノイバラの実を煎じた液や花びらを焼酎漬けにしたチンキを使用し、ローズのエッセンシャルオイルの香りとその美肌効果や使い心地はリピーターや大人買いする人もいらっしゃるという人気ぶり。

エッセンシャルオイルが含まれた石鹸はそれぞれに個性のある香りがします。

「最終的には、気に入った香りを選んでくださいと言っています。気に入った香りのものには、その人が必要としている効果のあるエッセンシャルオイルが含まれているものが多いんです。体は正直なんで」

工藤さんの石鹸と向かい合う時間は、自分自身との対話の時間にもなってゆきます。

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そんな工藤さんの本業は無農薬栽培の農家。

3.11をきっかけとして、神奈川県の藤野から新規就農のために丹波市に来られました。

藤野にお住まいのころには、農業をはじめとした持続可能なライフスタイルを提案する考え方である「パーマカルチャー」についても学ばれていました。

「パーマカルチャーを学んでいたときには、自分には広い土地もないし実践ができないと思っていたのですが、丹波に来ていつの間にか広い土地が手に入っていたんです」

主に栽培されているのはお米と、黒豆や小豆などの豆類。

今年は実に20反を耕されるということで日々額に汗して耕作に励んでおられます。
またそれだけでもなく、「Tamba Organic Fes」その他農業や社会にかかわる企画運営など多彩な活動を繰り広げていらっしゃいます。

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「でも私、丹波に来る前はそういう位置づけになったことってなかったんです。丹波に来てからすごくいい場所においてもらって、得意分野をそれぞれ出し合って補える仲間に出会えた。都会だと能力が発揮できない人も、違う人間関係の中に入れば自分の能力が生かせるかもしれない。いつも、私がどうこうではなく、『丹波に育ててもらっている、生かしてもらっている』っていう気持ちでいます」

精力的で、人が自然と集まってきてしまうタイプなのに、謙虚な姿勢を崩さない工藤さん。

そんな工藤さんはご自身のことを「のめりこみやすいタイプ」と評されます。

石鹸に入れる薬草についても、興味を持ったら一直線。

教えてくださる講師の方との出会いもそれに加速度をつけ、一年ほどで楽しみながら学ばれていたそうです。

そんな工藤さんがハマってしまった薬草の魅力とはなんでしょうか。

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「野草って、種をまかなくても生えてくるんです。私はそれにいたく感動しました。自然というのは私が誰であっても私をちゃんと養ってくれるものが生えてくるんだって」

使い方さえわかれば、道端の草でも食べるものや薬にすることができます。

「だから私はこよなく野草を愛していて、見つけるたびにとても幸せな気持ちになります」

「また、お米作りなんかを一緒にやってくれる人なんかも大募集してますよ。そのついでにその辺の野草を摘んで何か作ったりしちゃうかもしれない」

そう笑顔で語る工藤さん。薬草の手づくり石鹸への問い合わせ、また援農の申し込みについても以下の連絡先で受け付けていらっしゃいます。



工藤 尋 | 丹波たべられる森農園
石鹸のお問い合わせ先/080-2057-0232

interview / writing : asako saiki